11月1日、福岡地裁で開かれた「きららの湯をただでやるな!」の裁判を傍聴した。
糸島市住民315人が糸島市長を相手取って訴訟をおこした2日目の裁判。
ひと言で言って、実に面白かった。
それは、原告の一人で税理士の方の意見陳述が、あまりに具体的で説得力があったから。
テレビのミステリードラマのごとく、市が市のすばらしい財産である温泉を無償譲渡すると決定した相手方企業が、どのような赤字を抱え、不安定な経営状態にあったかを、理路整然と述べ立てた。
それは、無償譲渡の正当さを根底から覆すものだ。
書類審査をせず、市の言い分だけで賛成する市議会と違って、ここは裁判所。これに市の顧問弁護士は、何と反論するのだろう?
議会の同意を武器に、応募資格のない業者に、簿価5億円の財産をタダでやってしまった市役所。
この前代未聞の裁判は、面白いだけでなく、議会制民主主義を考えるうえで、歴史的意義がある。
傍聴しないともったいない。
この日は、担当部長、課長、係長と市の幹部職員等が傍聴に来ていた。市民は自腹で傍聴に来るが、職員は、市の人件費、税金で来ている。
彼らがやるべき本当の仕事は、糸島市民のために、全力を尽くすこと。
しかし、市が市民に訴えられるようなことをすると、裁判費用だけでなく、事務費、人件費等、ぼう大な税金が無駄に使われる。
市長はそれを自覚すべきと思う。